食べることを考えてみた。

食べることを考えてみた。

食べることを考えてみた。

夏=暑い=アイス。
だから、アイスクリームを買いに行こうと思った。
コロナ禍で外出も自由にできない、そんな日々の楽しみの一つとして。誘ったのは、ある先輩職員。乗ったのは、この春からずっと職場にこもらざるをえない新人職員と、おうち時間を過ごさざるをえない高齢の利用者さんたち。最年少は18歳、最高齢は103歳、「このカラフルなものは何?」から始まる。そこはある特別養護老人ホーム。それは当たり前の日常の話。この号の表紙はそんな一コマなのです。

食って奥が深い

食って奥が深い。健康や生命維持は大きな目的だけど、栄養さえとれればいいわけじゃない。好きなものを食べたいし、お酒だってたしなみたいし、お気に入りの場所で、誰と一緒に食べたいかって考えると目に浮かぶ人たちがいる。それは、ただ口に入れるモノの話じゃなくて、わたしたちの楽しみとなり、生活のいろどりとなっている。

「福祉」の「食」?

でも「福祉」の「食」と言われると、自由に選択できるイメージが薄れてしまう気がする。健康第一?摂生大事?給食時間のよう?本当にそうだろうか。わたしたちと「福祉」とはそんなにも離れているんだろうか。「福祉」という言葉は元々、しあわせや豊かさを意味する。しあわせや豊かさなら、あちこちでいろんな人が、手渡したり受け取ったりしているんじゃないか?帰り道のスーパーで、行きつけのカフェで、アルバイト先の居酒屋で、食べるために、楽しむために、誰かを喜ばせるために。だったら、すぐそばにいつも福祉はある。それを伝えられたら…。人生100年時代、1日3食を365日食べ続けると、109,500回食べる計算になる。約10万回の食事の中で、人はどのくらいアイスクリームを食べるだろうか?これから先、初めて食べる感動はどのくらいあるんだろうか?

103歳の
アイスクリーム

今号のBRIDGEでは、福祉における食のこだわりを特集。食べる方を目の前にして、食を提供する側の方たちはどんな思いで働いているんだろう?!
わたしたちの何気ない日常と103歳の初体験が、アイスクリームで交差する。京都の福祉職場で繰り広げられている「食」の営みと、今日のごはんを楽しみにしているあなたとの間に、橋を架けます。

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